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『なぜ「前超勤」を申請するのか』-1-

ほとんどの看護師のみなさんが、勤務時間の前から実際に業務を開始しています。これを支部では前超勤と呼んでいます。

今年の36協定交渉では、今までほぼ100%ただ働きだった前超勤を申請することで病院経営本部と合意しました。

皆さんの中には「時間前から仕事してるんだから申請して当たりまえ」と思う人もいれば、「前超勤と言っても30分の人もいれば、1時間前から働く人もいるし。そんなの全部申請していいの?」と思う人もいると思います。

支部は全ての組合員に「前超勤をしたら正確に申請しよう」と呼びかけますが、「1時間前に来たら本当に1時間申請するの」という問題を整理したいと思います。

結論から言います。1時間前から働き始めたら1時間超過勤務申請しましょう。「不安だから早く来ているのに、超勤申請してもいいの」と思う人がいるかもしれません。不安だから早く来るのではなく、1時間以上前から来ている人は、実際に様々な業務を行っていることが、病院支部の調査で明らかになっています。

前超勤が30分を超える場合、ほとんどの職員が内服薬や点滴の準備を行っていました。不安だから早く来るというのは実態とかけ離れています。

さらに労働基準法では、不安であろうがなかろうが関係ありません。実際に業務を開始していて、管理職が「業務時間前から働くのは止めてください」と制止しない限り「黙示の指示(黙っていることが業務命令になる)」となります。

つまり黙っていることは、前超勤してくださいと命令したことと同じです。この場合、「知らなかった」は通用しません。なぜなら労働時間を把握することは管理職の義務なのですから。

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