オリンピックより 都民の命を守る「ケアする都政」へ
都立・公社病院の独法化を止めよう
- 1.都立病院の地方独立行政法人化(独法化)ってなんなの?
- 都立病院から手をひきたい都の責任放棄を正当化する仕組み。これが独法化です。都民の健康よりオリンピックや大規模開発を優先するのが小池都政。だから都の予算の僅か0.5%である400億円を都立病院に使いたくないのです。
コロナ禍でも都立病院を民営化したい。世間の批判をかわして誤魔化すため、独法化しても名前は「都立」のままにするつもりです。
もしも医療が崩壊しても、 現場の責任にして都が逃げ出せる仕組みが独法化です。 - 2.独法化されても「都立」病院?≪お金編≫
- 責任を持つとはお金と人を出すことですが、 都立病院に対する都の運営責任をなくす独法化はお金と人を削ります。 小池都知事は、 都議会で質問されても口先では削減しないと逃げています。やればやるだけ赤字になるため民間では担うのが難しい不採算医療、 例えば、 救急医療、 新型コロナの感染症医療などの命にかかわる大事な分野です。 だから都民の命と健康に責任を持つ東京都が、 400億円の税金を使っているのです。
独法化されてしまえば名前は 「都立」でも、 同じ医療はできません。 - 3.独法化されても「都立」病院?≪働く人編≫
- 独法化によって都立病院で働く7,000人が公務員の身分を失います。
営利を求めず全体の奉仕者として働く公務員が、 弱い立場にある不採算医療の患者をケアすることが重要なのです。 しかし、 独法化されると病院には稼ぐことが最優先で求められるため、 効率が優先された働かされ方に変えられてしまいます。
保育で利益を追求する株式会社が参入した途端、 不祥事や事故が相次いだのと同じです。 働く人は同じで、 名前も 「都立」。 しかし提供する医療の中身は様変わりします。 - 4.都立病院は赤字だから効率的に経営するために独法化するの?
- 都立病院は赤字ではありません。
不採算医療を行う都立病院には収入源が二つあり、診療報酬と都からの400億円のバックアップです。 不採算医療が確実に実施されるようにバックアップすることが法律で決められているからです。都民ファーストや自民は、 これを赤字だと煽り立てフェイクニュースを拡散しました。 コロナ医療、 救急医療、 白血病の骨髄移植などの分野の医療を都立病院がリー ドしてきたのは400億円のバックアップがあったからであり、 健全な経営をしているといえます。 - 5.先行して独法化された健康長寿医療センターはどうなってるの?
- 健康長寿医療センターから都立病院に異動してきた看護師は 「二度と戻りたくない」と誰もが言います。それは、独法化された健康長寿医療センターのデータ ーが裏付けます。独法化され10年、病床利用率は 7ポイント高いけれど経営効率は10ポイント低くなっています。労働条件も切り下げられ看護師の満足度も経営が危機感を持つほど低下しました。
ベッドが空くことがないよう過密な労働を強いられ、看護師がやりがいをなくす病院になってしまいました。 - 6.全国で成功した独立法人化病院はありますか?
- ありません。成功の意味は、患者や地域住民の医療ニーズに応えことができる病院になったかと言うことです。その結果、患者がたくさん集まれば経営も良くなるはずです。
全国の公立直営・独法化病院の経営ベスト10のほとんどは直営病院が占め、独法化病院は1病院だけでした。独法化されると数人の理事に病院経営が任され、地域住民のニーズよりもどんな医療が儲かるかが重視されます。住民のニーズをつかめない経営は失敗するのです。 - 7.どうして東京都保険医療公社病院(公社病院)も合わせて独法化するの?
- 都立病院を独法化するのは、都民の健康のためにお金を使いたくないからです。実は公社病院の運営にも、年間約100億円ほど都のお金が入っています。公社は6病院ですから、都立8病院400億円と比べるとかなり少ない額ですが、都立・公社ひとまとめにして都立病院も公社と同じ水準に引き下げたいのです。
都は一体感を出してスケールメリットを追求すると言いますが、本心はリストラを追求したいだけ。公社病院の売却も危惧されます。 - 8.今のままの都立病院でいいのですか?
- コロナ禍で、さらに貧困が広がっています。
こんなときこそ保険証がない人や外国籍の人が、病気になった時に駆け込める役割が、都立病院には求められます。経済的な理由で受診を控えている人に医療費の減額や免除をおこなう 「無料低額診療事業(無低診)」という制度があります。都立・公社病院でも行政的な手続きを踏めば、無低診が実施でき、薬代の免除が可能になります。重症化前に受診できれば患者と社会の負担も軽くて済みます。都立病院は、広く都民のための医療をおこなう本来の姿に立ち返るべきです。 - 9.コロナ禍で医療はどう変わるべきですか?
- 都立・公社病院独法化は、医療や教育など公助を切り捨て民営化へ向かわせる時代遅れの 「 儲ける社会」の象徴です。自助ばかりの 「 儲ける社会」の追求が新型コロナの感染を爆発させ、気候までも変えました。開催が困難視されるオリンピックに巨費を投じる姿勢を変えない小池知事。医療崩壊が危惧される今こそ、選手のためにも、都民のためにもコロナ対策に全力を注ぐべきです。そして「儲ける社会」から 「ケアする社会」への転換が必要です。世界では民営化された水道事業の再公営化されるなど、変化が始まっています。時代遅れの都立・公社病院独法化を止めて、「 儲け」から 「ケア」を重視する医療へ転換を。
PDF版はコチラから
都民の命を守る「ケアする都政」へDL用_Part1
都民の命を守る「ケアする都政」へDL用_Part2